花火業界初のプラネタリウム番組「ハナビリウム」に込めた思いとは?2021年の上映予定は?

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この記事は2021年花火特集のものです。最新トピックスはこちら

新型コロナウイルスの影響で多くの花火大会が中止を余儀なくされるなか、花火の新しい楽しみ方として注目されるプラネタリウム番組「ハナビリウム〜花火って、なんであるの?」。今まで花火師しか見ることのできなかった”真下からの花火”の実写映像と、アニメによる花火の文化や歴史を学べる物語で構成されており、花火がテーマのプラネタリウム番組としては異例の上映館数を誇る話題作だ。

企画・製作を行ったのは、日本各地の花火大会やテーマパークなどで花火ショーを担当してきた「株式会社日本橋丸玉屋」(東京中央区)。2021年現在も多くの会場で上映されている本作品に込めた思いを聞いた。

真下から見た花火をプラネタリウムのスクリーンに合わせた「360度花火演出」
真下から見た花火をプラネタリウムのスクリーンに合わせた「360度花火演出」


花火師しか見られない、美しい花火を映像化したい

花火や作業風景など、実写撮影した映像も使われている
花火や作業風景など、実写撮影した映像も使われている

「ハナビリウム〜」の企画が動き出したのは、まだコロナ禍の予感もなかった2010年ごろ。花火を打ち上げる際、点火作業を行う花火師しか見ることのできない「360度を花火に包まれる景色」を映像化できないか、という思いからテスト撮影を始めたという。

「花火師が見る花火は、観客席から見る花火とは違った迫力と美しさがあります。そんな"禁断の世界"を特別な映像として多くの人にお伝えしたい、というのが『ハナビリウム〜』誕生のきっかけです」と株式会社日本橋丸玉屋の島野さん。

しかし、それをうまく撮影できても、テレビや映画のような平面画面では"禁断の世界"の魅力を十分に伝えることができない。そこで白羽の矢が立ったのが、プラネタリウムだった。花火とプラネタリウムには"見上げて楽しむ"という共通点があり、さらにプラネタリウムの球体スクリーンなら「360度を花火に包まれた景色」も再現できる。

「自分たちで調査を行い、撮影テストを行い、関係者に話を伺う。そのなかで何度も企画を練り直しながら、時間をかけて少しずつ制作を進めていきました。たくさんのプラネタリウム関係者の方からも助言をいただき、撮影、音響、CGの分野ではその道のプロフェッショナルにご協力いただくことで、完成させることができました。コロナにより、2021年も花火大会の中止が続々と決まっています。『ハナビリウム』が日本の花火文化をつなぐ役割を少しでも担えれば、と思っています」(島野さん)

花火の知識を学びながら、迫力の花火映像を体感!

【写真】物語に登場する、けむりのおじいさんとヒバナ
【写真】物語に登場する、けむりのおじいさんとヒバナ

花火の学校に通っている主人公ヒバナは、実は落ちこぼれ。今日も学校をさぼって森の中へ行くと、そこで、謎めいた"けむりのおじいさん"と出会う。「ボク、自信がないんだ。友達みたいにきれいな花火になんかなれないよ。無理なんだ。」そんなヒバナを見かねたけむりのおじいさんは、色とりどりの花火のしくみや魅力について、ユーモアたっぷりに語りはじめる。その世界に引き込まれるヒバナは、次第に、知られざる花火の歴史にも向き合ってゆくことに―。


物語の主人公・ヒバナと一緒に、色の仕組みや形の種類といった花火に関する知識を学べるのも本作の特徴だ。花火の色はどうやって出しているのか、形ごとに名前はあるのか、そもそも日本人はいつの時代から花火を見ているのか。そういった知識や歴史を、アニメーションと実写映像でわかりやすく解説してくれる。本作を鑑賞すれば、花火大会をより深く楽しむことができるだろう。

一番の見どころでもある、"花火に360度包まれるような特別な体験"ができるクライマックスにも注目。約5000発の花火が観客の頭上を彩る4分間は、まさに圧巻。映像に包み込まれる感覚は、ぜひプラネタリウム施設で体感してほしい。

スクリーンいっぱいに映し出される花火の実写映像は迫力大!
スクリーンいっぱいに映し出される花火の実写映像は迫力大!


2021年の上映施設はこちら!

「ハナビリウム〜花火って、なんであるの?」は、現在以下の施設で上映されている。上映期間などは施設により異なるため、出かける前に必ず各ホームページを確認しておこう。なお、新型コロナウイルス感染防止の観点から臨時休館となる場合があるので注意。

・さいたま市宇宙劇場(埼玉県さいたま市大宮区錦町682-2 JACK大宮3F)
・サイエンスヒルズこまつ(石川県小松市こまつの杜2番地)
・ディスカバリーパーク焼津天文科学館(静岡県焼津市田尻2968-1)
・セーレンプラネット(福井市自然史博物館分館)(福井県福井市中央1-2-1 ハピリン5F)
・米沢市児童会館(山形県米沢市丸の内1-3-47)
・愛媛県総合科学博物館(愛媛県新居浜市大生院2133-2)
・長野県伊那文化会館(長野県伊那市西町5776)
・東大阪市立児童文化スポーツセンター ドリーム21(大阪府東大阪市松原南2-7-21)
・あすたむらんど徳島(徳島県板野郡板野町那東字キビガ谷45-22)
・小牧中部公民館(愛知県小牧市小牧5-253 小牧中部公民館5F)
・ぐんまこどもの国児童会館(群馬県太田市長手町480)
・さぬきこどもの国(香川県高松市香南町由佐3209)
・伊勢原市立子ども科学館(神奈川県伊勢原市田中76)
・倉敷科学センター(岡山県倉敷市福田町古新田940)
※2021年6月時点。上映中の施設は、公式サイトの上映情報ページでも確認できる。

2021年2月より、VRコンテンツとしても販売がスタート。近隣にプラネタリウム施設がない場合は、ぜひ"おうちハナビリウム"で楽しもう。



※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

情報は2021年7月28日 16:26時点のものです。おでかけの際はご注意ください。

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