花火の種類を徹底解説!打ち上げ花火をもっと楽しむための基礎知識をチェック
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花火大会では、「打ち上げ花火」をはじめ、趣向を凝らしたスターマインやアイデアに富んだ創造花火、光や音と融合した最新テクにロジーを駆使したパフォーマンスなどもあり、花火大会ごとで異なる見どころも大きな魅力!
そこで、花火を存分に楽しむために、打ち上げ花火の構造、種類、見どころ、豆知識を紹介。ぜひ参考にして、いつもとは違った鑑賞の楽しみ方を見つけてみよう!
花火の基礎知識【種類】
花火玉は、大きく分けて「割物(わりもの)」と「ポカ物」の2種類に分類される。
「割物」とは、玉が破裂して球形に星が飛び散る、花火大会でもっとも多く見られる丸い花火のこと。そして「ポカ物」は、その名の通り、玉が上空でポカッと割れて中の星が破裂しながら落ちていく種類。割物とは違い、ランダムな星の動きが美しく、割物との組み合わせも見どころのひとつだ。では、ここからは打ち上げ花火の種類について一覧で紹介していこう。
菊(きく)<割物>
古くから日本にある伝統的な花火。星が尾を引きながら放射状に飛び散る姿が菊の花に見えることから「菊花火」との呼び名で親しまれている。花びらの先の色が変化する場合は「変化菊」と呼ばれる。
牡丹(ぼたん)<割物>
菊と同様に丸く、尾を引かずに光の点が広がっていき牡丹のような花を咲かせる。菊よりも光が鮮やかに出るのも特徴。火薬にマグネシウムなどを使った明るい種類を「ダリヤ」と呼ぶ。
冠(かむろ)<割物>
星が比較的長い時間燃えることで独特な形を作る「冠(かむろ)」。丸く広がって大きく流れ落ち、地面近くで消えるのが特徴。昔はおかっぱ頭のことを「かむろ」と呼んだことから名づけられたという。
型物(かたもの)<割物>
光の点や線で、ハートやスマイルマーク、蝶、土星などさまざまな形を描く花火。近年では、文字や立体的な形状を描くこともあり、技術の向上によりバリエーションが広がっている。
万華鏡(まんげきょう)<割物>
和紙で星をくるんだものをいくつも分散させて玉に詰め、上空でくるんだ星が開くと花弁がまとまって開き、万華鏡を覗いたような形状をつくる花火。
柳(やなぎ)<ポカ物>
花火玉が割れてから、柳の枝が垂れ下がるように光が落ちてくるのが「柳」。色のついた「彩色柳」と呼ばれる種類もあり、色が変化しながら光が落ちてくるものもある。
蜂(はち)<ポカ物>
玉が開く時に、火薬を詰めた紙の筒がシュルシュルと回転しながら不規則に動く花火。その動きがまるで蜂のようであることから名付けられた。
飛遊星(ひゆうせい)<ポカ物>
火薬を詰めた紙の筒が上空で開くと、光が不規則な動きをする花火。
花雷(はならい)<ポカ物>
バンバンと雷のような音を出しながら強い光を出す花火。中でも光とともに火の粉を出すものを「花雷」と呼び、多くの雷が一斉に開く花火を「万雷」と呼ぶ。
千輪(せんりん)<小割物>
上空で花火玉が割れた時に、一瞬遅れて小玉が一斉に開く花火が「千輪」。さまざまな色の菊型の小玉を使うと「千輪菊」になる。
番外編/スターマイン
「スターマイン」という名称はよく耳にするもののどのような種類の花火かご存知だろうか?実はスターマインは花火の種類ではなく、いわゆる「連射連発」の打ち上げ方法の呼び名なのだ。数百発の花火を絶妙なタイミングと多彩な変化で夜空を彩る様は圧巻であり、近年はフィナーレで用いられることが多い。誰もが一度は耳にしたことがある「スターマイン」の、意外と知らない豆知識について紹介しよう。
花火の基礎知識【構造・大きさ】
花火の元になる「玉」の断面を見てみると、「星」と呼ばれる火薬を球状にしたものが敷き詰められている。玉が上空で開いた時に、中の星が花火の輪になるのだが、この星が二重に詰められていると二重に、三重に詰められていると三重の輪の花火となる。
また、星と星の間は上空で星を飛ばすための「割火薬」で埋められている。導火線から火が点き、中心の割火薬に点火して、上空で一気に玉が破裂するという仕組みだ。
花火玉の大きさは、2.5号玉(直径7.5センチ)から10号玉(直径30センチ)まである。大きさによって「3号玉」「4号玉」「5号玉」と「号数」で呼ばれ、10号玉は「一尺(約30センチ)」あることから、大きな花火は「尺」という単位で呼ぶこともある。
花火玉の大きさに比例して上空で開く花火の直径も大きくなる。2.5号玉は約50メートル、10号玉は約300メートルといった具合で大きくなるので、玉が大きいほど広い場所で高く打ち上げる必要がある。
良い花火の条件とは?
打ち上げ花火を眺めているだけで、どれも見事な花火のように見えてくる。しかし、花火師は、より美しい花火となるように、以下の4つのポイントにこだわって花火を作っているという。
座り
花火が開くタイミングのことを「座り」という。花火は、打ち上げられた玉が最高点に到達し、空中で一瞬静止した時に開くとキレイな円形となる。これが理想的な花火とされており、「玉の座りが良い」と言われる。逆に、タイミングがずれて玉が開くと形が崩れ「玉の座りが悪い」となる。
盆
花火が開いた状態を「盆」といい、大きくてキレイな真円であることが理想的とされ、「盆が良い」と評価される。一方、歪んだりいびつな形に見えたりするものや大きさが十分ではないものは「盆が良くない」状態。
肩
花火が開いた時に現れる光の筋のことを「肩」という。「肩」が途中で消えずにまっすぐ伸びると形もキレイに見え「肩のはりが良い」と表現される。逆に星の先が予定外のところへ飛んだり、点火されずに星が抜けてしまったりすると「星が抜けている」状態となり、良くない花火とされる。
消え口
花火が打ち上がり、星が消えるタイミングも美しさに影響する。理想的なのは、星が同時に変化して同時に燃え尽きて消える状態。こういう花火だと「消え口がそろう」と評価される。
「花火を見ずして夏は終われない!」という人も多く、花火が楽しみな季節が近づいてきた。近年は、新型コロナウイルスの影響で花火大会が中止となるケースもあり、満足に花火鑑賞ができていない人も少なくないと思うが、2024年は全国各地で花火が楽しめそうだ。
画像提供/土浦全国花火競技大会実行委員会
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